小説「Axis of Fate」

案/絵/編集:たみぽん。文:水竜寺葵。オリジナルファンタジー小説。更新は約月1ぐらいです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

第4話②「良からぬ噂」Axis of Fate~大樹物語~

森を抜け、街道をしばらく歩いていると前方に何か見えてきた。黒い塊が何やらうごめいている。 近付くとはっきりと見えた視界の先には十頭の狼に囲まれ襲われている馬車の姿があり、その持ち主と思われる人が抵抗している姿も見えた。 「大変!馬車が襲われ…

第4話①「良からぬ噂」Axis of Fate~大樹物語~

翌朝スゥが昨夜狩った大猪を一人で殆ど食べてしまった為朝食抜きで町まで向かい旅を再開する。 グルルルゥ~ 「お腹すいたヨ。ご飯食べたいアル」 巨大な魔物が唸るがごとく大きなお腹の音を響かせてスゥが情けない声で呟く。 「もうちょっとで町につくから…

第3話⑧「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

それから少ししてからアルファを見張り番に残し女性陣は眠りにつく。 そして辺りも静まり返った真夜中のこと… 「…ねえ、アルファ」 蒔きの番をしている彼へとサウスがそっと声をかけてきた。 「なんだ寝てないのか」 「これ、お兄ちゃんの手帳なんだけど…」 …

第3話⑦「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

それから本当についてくるスゥを仲間に加え町へと向けて旅を再開する。 「とりあえず食料が無くなっちゃったから、早く町に行かないとね」 「だが、今日の明日のじゃ無理だな。とりあえず今日は早めに野営をするぞ。森の中だし食料になりそうなものを集めれ…

第3話⑥「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

しばらくサウスの耳を触っていいた二人だが満足した様子で彼女から離れる。 「…ところでにぃはなぜサウス様と一緒に行動してるヨ?」 「一から説明するとめんどいが…目指す場所が同じだからだな」 スゥの言葉にアルファが答えた。 「?」 「ボクはね、くうか…

第3話⑤「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

「「「?」」」 崇めるスゥの様子に三人は状況が呑み込めず不思議そうに顔を見合わせた。 「ねえそのマオシンって何なの?」 聞きなれない単語にルアが尋ねると、 「ワタシの国のシンでは狐ガ神、フゥ神様を崇めてル。だけどワタシの故郷は猫ガ神、マオ神様…

第3話④「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

しばらく歩いていると、前方の道に何か赤い物体が横たわっているのが見えてくる。近付くにつれてそれが人であることに気付いた。 「あ!アレ…誰か倒れてるよ」 サウスが見つけて駆け寄っていった。 「大変!怪我してるのかも!?」 ルアも慌てて駆け寄ってい…

第3話③「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

「終わったな…」 魔物から意識をそらすとアルファは言う。 「ちょっと時間かかっちゃったわね。サウス、もう出てきても大丈夫よ」 その言葉にルアも話すと背後にいるサウスへと声をかけた。 「……」 木の陰からひょこっと出てきた彼女は深刻な顔で何事か考え…

第3話②「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

「まだ動けるのか!?」 それをかわした彼は元気そうな相手の様子に呟く。 ルアはアルファが魔物の相手をしているうちに、腰のポシェットからルーペのような道具を取り出し、目の前へとかざした。 これは【ネンリシンボル】というもので、対象の能力値が分か…

第3話①「異国の少女」Axis of Fate~大樹物語~

サウスと出会ったアルファとルアは彼女を連れて遺跡を出る。 そしてそこから一番近い町へと目指し旅を続けた。 木々が生い茂る山道を下っていると 「ルア」 何かに気付き剣を構えるアルファ。 「わかってる。サウス、私達の後ろに」 その様子にルアも理解し…