小説「Axis of Fate」

案/絵/編集:たみぽん。文:水竜寺葵。オリジナルファンタジー小説。更新は約月1ぐらいです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

第2話⑪「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

石舞台を別々の所で調べていた二人だったが、 「何もないわね」 何も手がかりとなるようなものは見つからず、魔方陣もかすれていてどんなことに使われたのかも分からなかった。 「術式もかすれてて何をしたのか分からねえから、これ以上調べようがねえな」 …

第2話⑩「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

ーーー数時間休憩し、アルファが動けるようになるまで回復した。 あくまでこのラウルス遺跡には探索目的で来ているのでさらに奥へと向かう。 建物を出ると、街全体が天井が土で出来たドームに覆われていて、目の前には当時の建物が風化せずにそのままの状態…

第2話⑨「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

暫くそうしていると落ち着きを取り戻したサウスが彼女から離れる。 「アルファ」 「… … …」 静かになったアルファへとルアが声をかけるが返事はない。 薬が効いて眠っている様子だった。 「アルファは寝たわね…サウス。さっきは怖い思いさせてごめんなさい。…

第2話⑧「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

薄暗い部屋にルアがかけた魔法の淡い光がふわふわと漂っている。 「これを焚けば魔物は寄ってこないから、大丈夫よ」 彼女は魔物除けの為の香を焚き、少女へ向けて安心させるように話す。 「はい、アルファはこれ飲んで」 そして、アルファには煎じた毒消し…

第2話⑦「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

その頃逃げて行った少女はというと、建物のエントランス近くまで来ていた。 「はぁ…はぁ…出口だ」 大きな扉が見えてもう直ぐ出口だと思ったその時。 ドオーンっ! 「うわぁっ!」 大きな音を立てて高さ二メートルぐらいの巨大な蜘蛛のモンスターが少女の前へ…

第2話⑥「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

「待て!」 「行かせない!」 逃げ出した少女を追いかけようと駆け出すアルファの前に再び立ちふさがり通せんぼをすると鋭い眼差しで彼を睨んだ。 「ルア…どういうつもりだ?あいつは裏なんだぞ」 「私は裏なんて見た事ないし、あんたがあいつ等に家族や村の…

第2話⑤「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

一方その頃ルアは中庭から大分離れた場所に来ていた。 少女を背負いこの建物で迷っていたのだ。 「う~ん。ここ何処だろう?早く外に出なくちゃいけないのに…この扉開けられないかしら」 出口と思われるエントランスの扉は外側が土砂で塞がれているのか、 「…

第2話④「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

「はあぁっ!」 静かになった空間に剣と剣がぶつかる金属音が響く。 シュンの大剣を受け止めた衝撃で少し体が沈み込む。 「なかなかいい腕してんじゃねえか」 その様子にアルファは一気に警戒の色を強めたが、表面上ではにやりと笑い余裕で相手の剣を押し返…

第2話③「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

「!?」 最初に駆け寄ったルアが様子を伺う様に子どもを見る。 オレンジ色の上下、肩に付くほどの髪。だが人間には生えていないはずの猫のような獣の耳が頭に生えていることに気付き息を呑んだ。 (え…本物?) 彼女はそっと獣耳に触り、微かに体温があるこ…

第2話②「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

「ねぇアルファ、聞こえる?」 落ちた先は暗闇で何も見えなかったためルアは大きな声をあげてアルファの無事を確かめる。 「大丈夫なの。怪我とかしてない?」 「大丈夫だ。だけど真っ暗で何も見えねえな」 それにすぐに返事が返ってきて彼女は胸を撫でおろ…

第2話①「ラウルス遺跡」Axis of Fate~大樹物語~

王都イリンシュレイより南西、山中。 薄暗く木々が生い茂る森深く。 「はぁ…はぁ…」 そこにマントを羽織った子どもが切羽詰まった様子で必死に走っていた。 「鬼ごっこはもうつまらないな~。そろそろ終わりにしたいな~♪」 息を切らし、さらに森の奥へと逃…

Axis of Fate〜大樹物語〜 第1章キャラクター紹介

アルファ・クラスト(24)男179cm 髪:黒(紺め) 瞳:紺武器:片手剣 サブ:短剣 戦闘スタイル:二刀剣士13年前、イリンシュレイ国北西郊外の小さな村に住んでいたが、裏という存在に村民、家族を殺害された。村で唯一生き残り、その後王都の孤児院で暮らすこと…