小説「Axis of Fate」

案/絵/編集:たみぽん。文:水竜寺葵。オリジナルファンタジー小説。更新は約月1ぐらいです。

第1話⑥「始まりの道②」 Axis of Fate~大樹物語~

ギルドの建物を出て王宮を目指し歩き始める。

すると細い路地から出てきた茶色のマントを羽織った者とぶつかりそうになった。


「!!」


よく見ると身長は130センチほどで子どもだろうか?

顔もフードを深く被りよく見えなかった。


「ご、ごめんなさい…」

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子どもはアルファを避けようとよろけそうになりながらも体勢を立て直し小さく謝る。そして彼が今しがた出てきたギルドの建物へと駆け足で走って入っていく。


(…客か?)


そう思っていた時、次に同じ路地からチンピラ風の男達が出てきた。


「あのガキどこ行きやがった!!」


(あいつ等…あの子どもを捜してんのか?)


男達は先ほどの子どもを必死に探しているようで、見失った標的を見つけようと周囲に首を振っている。


「あんた等。あの子どもならそっちの道に走ってったぜ」


アルファは子供を庇うようにその子が入っていった自分のギルドではなくその奥にある道を指して言った。


「おぉ兄さんありがとな」


男の一人が礼を述べると彼等はアルファの指
した道へと走り去っていく。


(悪いことしちまったかな…)


そんな男達へと心の中で小さく罪悪感を抱きながらアルファは城へと向かっていった。